家の中の花粉対策は加湿器での湿度管理が効果的! 原理やオススメの置き場所など分かりやすく解説
家の中の花粉対策のひとつとして主に空気清浄機が挙げられますが、実は加湿器も花粉対策に有効といわれています。
乾燥は冬のイメージが強いですが、春も冬と同じくらい乾燥することがあります。
乾燥をしていると、のどや鼻などの粘膜のバリア機能が低下したり、花粉が飛散しやすくなるため、加湿器で乾燥を防ぐというわけです。
その1:花粉症とは?
花粉症は、花粉に対する免疫反応によって、くしゃみ・鼻水などの症状が引き起こされるアレルギー性鼻炎のひとつです。
鼻から吸い込んだ花粉を体内の免疫機能が「異物=侵入者」として認識し、体を守るために「IgE抗体」を作り、「肥満細胞」と結合します。その後再び花粉が体内に入ると「肥満細胞」から化学物質(ヒスタミンなど)が分泌され、花粉をできる限り体外に放り出そうとくしゃみや鼻づまりなどのアレルギー症状が起きるのです。
その2:加湿器で粘膜のバリア機能を正常に保つ
のどや鼻など呼吸器の粘膜には花粉やほこり、ウイルスなどの侵入を防ぐバリア機能があります。粘膜から分泌される粘液が侵入してきた異物をキャッチすると繊毛(線毛)が働き、粘液とともに異物を押し出します。
しかしながら、乾燥をしていると繊毛(線毛)の動きが鈍くなり、異物を排除しにくくなり、体内に残ってしまい、アレルギー症状が起きやすくなります。
乾燥を防ぐことで粘膜のバリア機能を保つことも花粉対策のひとつです。
↑のどや鼻の粘膜が乾くと、異物を排除する繊毛(線毛)の動きが鈍くなり、花粉を排除しにくくなります。
その3:加湿器で家の中の飛散している花粉を落とす
家の中の花粉対策で一番の対策となるのは、「家の中に花粉を侵入させない」 こと 。ただ、花粉は、換気の際や帰宅時の衣服などに付着して家の中に入ってきます。
さらに、最近は新型コロナウイルス対策として、定期的な換気が推奨されていますので、花粉の侵入を完全に防ぐことは難しいですね。
そこで、侵入してしまった花粉を家の中で飛散させないようにしましょう。
花粉は水分が付着すると、重くなって下へ落ちやすくなります。加湿器でお部屋の中を加湿し、花粉に水分を付着させ床に落としてしまいましょう。
一般的に雨が降った日は花粉症の症状が落ち着いて、過ごしやすいと言われています。これは、雨にあたった花粉が水分を含んで重くなって地面に落ち、花粉が飛散しにくくなるという現象によるものです。
この現象を応用して、加湿器で同様の環境を作るというわけです。
↑軽い粒子の花粉に加湿器で水分を付着させて重くすることで床に落ちやすくします。
花粉は非常に軽く小さい粒子なので、掃除機で掃除をすると排気などで空気中に舞い上がってしまいます。落ちた花粉はこまめにフローリングモップや雑巾などでそっと取り除くとより効果的です。
その4:では、加湿器はどこに置いたら効果的?
春先はまだ寒い日もあり、暖房を使用するケースも多いです。エアコンやファンヒーターなどで暖房をする際に加湿器を効果的に使うには、置き場所を工夫する必要があります。
たとえば、加湿器は部屋の中央に置くと部屋全体にうるおった空気が広がるので効率的。とはいえ、部屋のど真ん中に置くのは現実的ではないので、前方にさえぎる物がない状態で、以下の(1)~(5)に該当する場所に置くのがいいでしょう。
(1)エアコンやファンヒーターの風が直接当たらない場所に置く
センサーがついている加湿器は、温風が当たると誤作動してしまう場合があります。 暖房の風が直接当たらない場所に設置しましょう。
↑ダイニチ工業の加湿器は背面上部に温湿度センサーが搭載されています。 (PN・PCタイプは右側面上部に温湿度センサーを搭載)
↑加湿器本体に暖房機の温風を直接当てないでください。誤作動して正常な運転ができなくなってしまう場合があります。
(2)加湿した空気をエアコンの風が運んでくれる位置に置く
エアコン使用中は、加湿器がエアコンの風に直接当たらず、それでいてエアコンの温風が加湿した空気を遠くまで運んでくれる場所に置くのが最適です。エアコンの下に場所を確保し、ベストな位置を探してみましょう。
↑エアコンの温風が加湿器に当たらず、加湿器が出した湿った空気に、エアコンの温風が当たる場所がベストです。
(3)直接床に置かない
暖房中は床付近が比較的低温になり、加湿器のセンサーが湿度を高めに判定する場合があります。そうなると加湿器が充分な加湿をしていると誤解し、加湿量を落としてしまいます。きちんと加湿するためには直接床に置かず、テーブルや家具の上などに設置しましょう。ただし、大風量のモデルは部屋の空気を循環させるため、床に置いても影響は少なくなります。
(4)窓際から離す
窓際は外の冷気の影響を受けやすく、やはり加湿器のセンサーが間違った判断をしがち。また、窓に結露ができやすくなるので、窓際から離して設置するのがオススメです。
(5)家電の近くに置かない
特に超音波式やスチーム式の加湿器は、精密機器の近くに置くのは厳禁です。テレビやオーディオ、PCなどの故障の原因になりかねませんので、注意しましょう。
その5:とはいえ、加湿しすぎは逆効果!
室内の花粉の飛散を少しでも防ぐため、できるだけ空気中の水分量は多くしたいところですが、湿度が高すぎると今度はカビが発生しやすくなってきます。カビ胞子は吸い込むことで、肺に深刻な病気を引き起こすこともあります。
加湿器を使う場合は、室内に湿度計を設置したり、設定湿度に達すると自動で加湿を一時停止する加湿器を使用したりして、過加湿にも注意しましょう。
その6:お手入れもこまめに行なってください
お手入れを怠ると加湿器の内部で雑菌が繁殖して一緒に放出されてしまい、「加湿器肺炎」などを引き起こすこともあるので、定期的なお手入れが必要です。
安心して使用できるよう、取扱説明書に従い正しくお手入れをしましょう。
以下では、ダイニチ工業のハイブリッド式(温風気化式×気化式)を中心に、お手入れのポイントを解説します。
(1)水は毎日替えて定期的にタンクを清掃
タンクに入れた水道水は、半日ほど経つと残留塩素が抜けてしまい、雑菌が繁殖しやすくなります。
毎日水を入れ替えるとともに、水を替える際はタンク内の水を捨て、キレイな水を少し入れて振り洗いするのがオススメ。
また、タンクは内部をスポンジで定期的に洗っておくと、より清潔に使えて安心です。
↑水を入れ替える際に、振り洗いするのがオススメ
加湿の水は水道水を使いましょう
水道水には消毒のための微量の塩素が含まれています。塩素分は時間が経つと抜けていきますが、それでもある程度の時間はカビや雑菌の繁殖を抑えることができます。
ミネラルウォーター・アルカリイオン水・浄水器を通した水・井戸水などは塩素殺菌されていないものと考えられますので、水道水に比べてカビや雑菌が繁殖しやすくなります。
(2)トレイやフィルターなどは定期的にお手入れをする
【週に1回】ごみやほこりを掃除する
加湿器本体に付着したごみやほこりは柔らかい布で拭き取りましょう。
落ちにくい汚れは、中性洗剤を水でうすめてしみこませた布で拭くと落ちやすいです。その際は、洗剤が残らないように固く絞った布で拭きとり、からぶきをしてください。
吸気グリルのほこりは掃除機で吸い取ってください。雑菌が繁殖し悪臭が生じたり、加湿量の低下や送風音が大きくなる原因になります。
↑吸気グリルのほこりは掃除機で吸い取ってください。
【2週に1回】トレイ・気化フィルターを洗う
トレイや気化フィルターには白っぽいかたまりのスケール(水アカ)が付着します。スケール(水アカ)は、水道水に含まれるミネラル分が気化せずに残ったもので、放っておくと悪臭の原因や加湿能力の低下、送風音の増大などの悪影響が出ます。
- トレイ…やわらかいスポンジなどで内部を洗ってください。
- 気化フィルター…水洗い後、やわらかい布で汚れを拭きます。吹き出す風が臭ったときは重曹、上部が乾いているときはクエン酸で洗浄してください。(手順は「【月に1回】1か月に1回は浸け置きで気化フィルターを洗浄」を参考にしてください。)
↑トレイはやわらかいスポンジなどで洗ってください。
【月に1回】1か月に1回は浸け置きで気化フィルターを洗浄
洗浄剤を溶かしたぬるま湯に、気化フィルターの浸け置き洗いを行いましょう。
スケールを取る場合はクエン酸を、吹き出す風が臭かった場合は重曹や各メーカー指定の洗剤を、ぬるま湯に溶かして浸け置きします。
浸け置きが終わったら、ニオイを残さないために、水道水でしっかりすすぎ洗いするのが大切です。
クエン酸を使ったお手入れ方法
1.ぬるま湯にクエン酸を溶かす
2.気化フィルターを浸ける
3.浸け置きする
4.水道水で洗う(めやすは2分以上)
↑気化フィルターの浸け置き洗いでは、100円ショップなどで購入できるファイルケースを利用するのがオススメ。なお、クエン酸はダイニチWeb Shop(24時間受付・送料無料)で330円(税込)で購入できます。
1.汚れたフィルターを捨てる
2.新しいフィルターをセット
汚れたら捨てるだけ!「カンタン取替えフィルター(別売部品)」のご紹介
お手入れ不要で捨てるだけの抗菌気化フィルターが登場!
花粉症の諸症状はとてもつらいもの。外出時にしっかり花粉対策をするのはもちろんですが、室内の花粉対策も万全にしておきましょう!
その7:ダイニチ工業のハイブリッド式加湿器オススメモデル
上記を踏まえたうえでダイニチ工業がオススメしたいのが以下のモデルです。お手入れの手軽さや清潔性を追求し「カンタン取替えトレイカバー」や「Ag+抗菌アタッチメントEX※」などの抗菌加工を施しています。
※:PNタイプ パワフルモデルは「Ag+抗菌アタッチメント」
【寝室やリビングにオススメ】
「カンタン取替えトレイカバー」を搭載したミディアムクラスモデル
RXT・RXCタイプ
2019年度にパワフルモデルのLXタイプに搭載して大好評だった「カンタン取替えトレイカバー」をミディアムクラスにも搭載。レジオネラ菌への対策が念頭に置かれ、徹底した清潔性が特徴です。空気取込口・トレイ・気化フィルターに抗菌加工を施し、タンクのキャップにも「Ag+抗菌アタッチメントEX」を搭載し、抗菌成分の銀イオンが水中に溶け出し、タンク内の雑菌の繁殖を抑えます。給水口が広くお手入れもラク。運転音13~32dBと静音性もバツグンです。デザインも洗練されていて、2021年度グッドデザイン賞を受賞。
RXT・RXCタイプ スペシャルサイト
【ワイドリビングにオススメ】
「スマートリモコン」対応ですぐれた操作性。デザイン性も兼ね備えたパワフルモデル
LX・LXCタイプ
スマートリモコン対応。加湿器本体から離れた場所や外出先からでも簡単に運転操作が可能に。加湿量が最大1,200mL/h※1というハイパワーで、広い部屋もしっかりうるおうので、ワイドリビングにぴったり。従来機※2と比べ設定湿度に到達するまでの時間も約30%短縮されています。一度にたっぷり入るタンクは7.0Lの大容量。タンクの上下に持ち手がある「タンクWとって」構造で、両手で持って運べます。トレイには業界初の使い捨てカバー「カンタン取替えトレイカバー」を採用。1シーズンに1回※3取り替えればOKです。デザインも洗練されていて、2019年度グッドデザイン賞を受賞。
- ※1:HD-LX1224の場合。
- ※2:RXTタイプ最大の900mL/hクラスのこと
- ※3:1シーズンをめやすに新しいもの(別売部品)と交換してください (1シーズンを6か月、1日8時間運転、水道水の硬度50mg/L〔全国平均値〕 にて使用した場合)。なお、1シーズンに満たなくても汚れや水アカが気になる場合は交換をおすすめします。
LX・LXCタイプ スペシャルサイト
【オフィスや店舗にオススメ】
ケタ違いのパワーを誇り、抗菌への配慮も充実
PNタイプ パワフルモデル
オフィスや店舗などの大空間にぴったりなモデルで、加湿量は最大2,400mL/h、適用床面積プレハブ洋室67畳(HD-PN245の場合)と家庭用加湿器No.1※のパワーが特徴。タンク容量は6Lタンクが2個で12Lとなっています。トレイには業界初の使い捨てカバー「カンタン取替えトレイカバー」を採用。空気取込口・トレイ・気化フィルターは抗菌加工、タンクのキャップ部には「Ag+抗菌アタッチメント」が付き、さらに操作プレートも抗菌加工となっている点に注目。
※:HD-PN245の場合。家庭用加湿器において1時間あたりの最大加湿量2,400mL/h(室温20°C、湿度30%の場合)。2024年7月1日現在