【2024年最新版】加湿器タイプ別の掃除方法をチェック!クエン酸洗浄の手順も詳しく解説

加湿器

冬に気になるものといえば、「乾燥」です。エアコンで暖房をするとさらに室内の乾燥が進んでしまうため、「冬はいつも肌がカサカサ……」と悩む方も多いでしょう。

お肌だけでなく、のどや鼻の粘膜が乾くと、異物を排除する繊毛(細かい毛)の動きが鈍くなり、菌やウイルスの侵入を防ぐ機能も下がってしまいます。そこで、必需品となるのが部屋の湿度を適切に保ってくれる加湿器です。

一方で、「加湿器は掃除やメンテナンスが大変……」というイメージを持つ方も多いはず。そんな方のために、ここでは加湿器の掃除のやり方を解説。加湿器のタイプ別の掃除の方法や、クエン酸洗浄の方法など、気になるポイントを詳しく紹介していきます!

 

 

 

その1 加湿器を掃除しないとどうなる?

まず、加湿器の汚れを放っておくとどうなるのでしょうか?

弊害のひとつは、加湿器のパフォーマンスが落ちること。例えば、気化フィルターに水アカがたまると、目詰まりしてカチカチに固くなって吸水しづらくなり、加湿性能が落ちてしまいます。吸気口がホコリで詰まった場合も、加湿の性能が落ちることがあります。

↑水アカが付着した気化フィルター

 

また、加湿器の中でカビや菌が繁殖すると、加湿器からイヤなニオイが漂い、吹き出す空気が臭くなる……なんてことも。

深刻なのが、ニュースでもときどき報道される「加湿器肺炎」です。加湿器肺炎は、加湿器の中に発生したカビや菌が空気中に放出され、それを吸い込むことで肺や気管支がアレルギー反応を起こして発症します。

 

↑放出されたカビや菌を繰り返し吸い込むことで、アレルギー性の肺炎を引き起こす危険性も

 

その中でも厄介なのが、レジオネラ菌が原因の感染症「レジオネラ症」。レジオネラ症は、免疫力の低い新生児や高齢者などで重い肺炎を引き起こすケースがあります。

加湿器のパフォーマンスを保ち、健康被害を防ぐために、しっかりとお手入れをすることが重要なのです。

 

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その2 加湿器の汚れの種類

加湿器の汚れにはどんなものがあるのかを知っておくと効果的な対策が可能なので、まずは汚れの種類と原因を知っておきましょう。

加湿器の汚れは主に3種類に分けられます。水道水のミネラル分が固まった水アカ、タンク内や気化フィルターで繁殖する菌やカビ、吸気口に付着するほこりです。

先述の通り、それらを放置していると、加湿性能が落ちる、吹き出す空気が臭くなる、アレルギー症状が出るなどのデメリットが発生します。

 

汚れ①水道水のミネラル分による水アカ

タンクや気化フィルターにこびりつく白い塊は、水アカです。

加湿器に使う水道水の中にはマグネシウムなどのミネラル成分や、消毒のための塩素が含まれています。水分自体は水蒸気になって空中に放出されますが、ミネラルや塩素は加湿器内に残って固形となって付着します。放っておくと悪臭の原因や加湿能力の低下、運転音の増大などの悪影響が出ます。

↑気化フィルターに白くこびりついてしまった水アカ。これでは吸水性能が落ちて本来の能力が発揮できません

 

水アカはこまめにパーツを水洗いすることで、ある程度抑えることができます。それでも頑固な水アカがたまってしまった場合は、クエン酸での洗浄が有効。水アカの成分はアルカリ性のため、酸性のクエン酸で中和してお掃除をすればすっきり取れます。

 

汚れ②菌・カビの繁殖

タンク、気化フィルター、トレイは常に湿っていて菌やカビが繁殖しやすい状態です。お手入れせずに放っておくと、以下写真のようにフィルターにびっしりとカビが生えてしまうことも。

ひとたび菌やカビが発生してしまうと悪臭の原因になるほか、加湿器を使うたびに室内に放出されてしまい、のどの痛みやせき、発熱といったアレルギー症状を引き起こす恐れがあります。吹き出す風が臭かった場合は、ぬるま湯に重曹を溶かした重曹水に浸け置きするのが有効です。

↑カビが生えた気化フィルター。常に水分を含んでいる気化フィルターは特にカビやすいパーツ

 

また、菌が繁殖すると、バイオフィルムと呼ばれるぬめりが発生し、先述のレジオネラ菌も繁殖しやすくなります。こちらもこまめなお手入れでキレイに落としたいところです。

 

↑菌が繁殖してぬめりが出てきたトレイ

 

 

汚れ③吸気口のほこり

↑ほこりがビッシリついた吸気口。こうなると吸気がうまくいかず、性能が下がってしまいます *撮影のためにパーツを外して運転しています

 

吸気口には室内のほこりがたまるため、こまめにほこりを取り除く掃除が必要です。放置しておくと吸気口が目詰まりし加湿量が低下したり、送風音が大きくなったり、ほこりにカビや菌が繁殖して悪臭が生じたりと、さまざまなトラブルが起こります。

タンクやトレイの掃除と比べて見落としがちですが、掃除機で吸うなどして定期的にキレイにしておきましょう。

 

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その3 加湿器のタイプ別(方式別)の特徴と掃除の方法

加湿器は加湿を行う仕組みによって、主に4つのタイプに分かれます。ここではそれぞれの特徴とタイプ別の掃除の方法を紹介します。

*掃除の推奨頻度はメーカーにより異なる場合があります。詳しくは取扱説明書をご確認ください。

 

まず、どのタイプにも共通しているのが水を入れておくタンク(容器)の掃除です。

タンクの水は毎日替えるのが基本で、その際はタンク内に残った水はすべて捨て、新たに少量の水道水を入れてタンクを振り洗いしましょう。タンク内部や口の部分に汚れが目立つ場合は、歯ブラシやスポンジなどを使って軽くこすって汚れを落としてください。

↑水を入れ替える際に、振り洗いするのがオススメ

 

↑タンクの内部もスポンジでしっかり洗いたいところ

 

また、気化フィルタ―を使うモデル(後述の気化式・ハイブリッド式/気化式×温風気化式)の場合、1か月に1回は、洗浄剤を溶かした水でフィルターの浸け置き洗いを行いましょう。

水アカがたまった場合はクエン酸を、吹き出す風が臭かった場合(カビや菌が繁殖した状態)は重曹や各メーカー指定の洗剤を、ぬるま湯に溶かして気化フィルターを浸け置きします。浸け置きが終わったら、ニオイを残さないために、水道水でしっかりすすぎ洗いするのが大切です。

↑頑固な水アカの掃除では、粉末状の市販のクエン酸を使用するのがオススメ

 

①-1 ハイブリッド式(気化式×温風気化式)

ハイブリッド式(気化式×温風気化式)の特徴

ハイブリッド式は、2つの加湿方式を組み合わせ、それぞれのデメリットを補う方式。

「気化式×温風気化式」は、気化フィルターに送る風をヒーターで加熱して、加湿力を強めたタイプ。ファンも備えているため、素早く広範囲に加湿できます。

機種によっては設定湿度に達するとヒーターを自動で停止し、消費電力の少ない気化式に切り替えるものもあり、スチーム式より省エネで電気代を抑えられるのがメリット。2つの方式を組み合わせているため、本体はやや価格が高くなりがちです。

 

ハイブリッド式(気化式×温風気化式)の掃除の方法

気化式×温風気化式のハイブリッド式は後述の気化式と同様、気化させた水を放出するため、カビや菌をそのまま放出しにくいです。水アカの付着とカビの繁殖を防ぐため、気化フィルターとトレイは2週間に1度程度、本体から外して水洗いしましょう。水アカにはクエン酸での浸け置き洗いが有効です。

 

ハイパワーで吸気口も大きな機種が多いので、こまめに掃除機で吸気口のほこりを取り除きます。

↑定期的に吸気口のほこりを掃除機で吸引しましょう

 

①-2 ハイブリッド式(超音波式×加熱式)

ハイブリッド式(超音波式×加熱式)の特徴

「超音波式×加熱式」のハイブリッド式は、ヒーターで加熱した水を超音波で霧状にして放出するタイプ。本体をコンパクトにできるという超音波式のメリットを活かしつつ、水を加熱するので衛生面も保ちやすいです。

ただし、消費電力がやや高くなる傾向があります。加湿範囲が狭く、水の粒が大きいため本体周辺の床や壁が濡れる場合もあります。

 

ハイブリッド式(超音波式×加熱式)の掃除の方法

水を加熱するため、超音波式に比べると菌やカビは繁殖しにくいです。タンクは毎日水を替えて振り洗いし、水アカはスポンジや歯ブラシなどで傷つけないようやさしくこすり落としましょう。

 

②気化式

気化式(ヒーターレス)の特徴

気化式は、気化フィルターに水を含ませ、そこにファンで風を送ることで気化させる方式です。ヒーターを使わないため、吹出口が熱くならずに安全。電気代も安く済みます。

ただし、スチーム式に比べ部屋の温度が下がりやすく、気化フィルターの交換や手入れも必要となります。

 

気化式の掃除の方法

ヒーターで加熱しないため、お手入れを怠ると菌やカビが繁殖しやすくなります。ただし、気化させた水を放出するため、カビや菌をそのまま放出しにくいです。

トレイや気化フィルタ―は水アカやカビなどで汚れやすいため、トレイと気化フィルターは2週間に1度程度、本体から外して水洗いしましょう。吹き出す風が臭い場合やぬめりが出ている場合(カビや菌が繁殖している場合)はフィルターの重曹水での浸け置き洗い、水アカが気になる場合はクエン酸での浸け置き洗いが有効です。

また、吸気口にもほこりがたまりやすいので、こまめに掃除機でほこりを吸い取りましょう。

 

③スチーム式

スチーム式の特徴

スチーム式はヒーターで水を加熱し、水蒸気に変える方式です。水を沸騰させることで菌やカビの繁殖を抑え、清潔に加湿できます。加熱により室温にかかわらずパワフルに加湿できるのも特徴。

ただし、吹出口が熱くなる機種もあるので注意が必要です。また、水を加熱するので電気代が高くなる傾向にあります。

 

スチーム式の掃除の方法

スチーム式は、水を加熱するので菌やカビが繁殖しにくくなっています。
一方で、水道水を蒸発させるため、水アカがタンク(内容器)や蒸気口カバーなどに白い塊となってつきやすい点に注意。

たまった水アカを取り除くには、タンクにぬるま湯で溶かしたクエン酸を注いで浸け置きし、その後、水ですすぐクエン酸洗浄が有効です。機種によっては、タンクにクエン酸を入れて一定時間加熱することで、水アカが取りやすくなるメニューが用意されているものもあります。

 

④超音波式

超音波式の特徴

超音波式は、超音波を水に当てて霧状の微粒子にして放出する方式です。仕組みがシンプルなので本体が小さくて低価格な機種が多く、消費電力も少なめです。もっとも手頃な加湿器と言えますが、水を加熱せず、気化フィルターもないため、タンク内の汚れがそのまま放出されてしまうのが欠点。もっともこまめに掃除が必要なタイプです。

また、加湿する範囲が狭いほか、気化式やスチーム式より水の粒が大きいため、床や壁が濡れやすい傾向にあります。

 

超音波式の掃除の方法

水を加熱しないため、タンクや本体内部でカビや菌が増殖していると、そのまま放出されてしまう点に注意。毎日の水の取り替えやこまめなタンクの掃除はもちろん、超音波発生ユニットや蒸気口など、外してお手入れできるパーツは外して、歯ブラシやスポンジなどで汚れを落としたいところです。

 

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その4 クエン酸と重曹を使った掃除の手順

ここからは、クエン酸と重曹を使って掃除する方法を紹介します。加湿器のなかでもタンク、トレイ、気化フィルターなど、水が通る部品は水アカやカビがつきやすい部分です。水アカを取り除くにはクエン酸洗浄、ニオイには重曹洗浄が有効です。

 

手順としては、まずはバケツに水(溶けやすくするため40℃程度のぬるま湯)を用意し、粉末を溶かします。クエン酸の場合は、4Lあたり約25g、重曹の場合は4Lあたり約150g程度です。

そこに洗いたいパーツを30分~2時間ほど浸け置きしてから、スポンジやブラシなどでやさしくこすり洗いし、しっかり水道水ですすいで乾燥させます。

なお、気化フィルターのクエン酸洗浄の場合は、バケツの代わりにファイルケースを利用するのもオススメです。

↑気化フィルターの浸け置き洗いでは、ファイルケースを利用するのがオススメ。なお、クエン酸はダイニチWeb Shop(24時間受付・送料無料)で330円(税込)で購入できます

 

【フィルターの洗浄を写真でチェック!】

① ぬるま湯にクエン酸または重曹を溶かす

*1回の浸け置きではどちらか1つを使い、クエン酸と重曹を一緒に入れないようにしてください。クエン酸・重曹の量、浸け置き時間は各メーカーの取扱説明書の記載に従ってください

 

②気化フィルターを浸ける

 

③ 30分~2時間ほど浸け置きする

 浸け置きする

 

④水道水で2分以上を目安にしっかりすすぎ、乾かす

水道水でしっかりすすぎ 洗いする

 

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その5 お手入れが楽なダイニチのおすすめモデル

ここまでは加湿器の掃除の手順を紹介してきましたが、あらかじめ掃除の手間が少ない加湿器を選ぶのも賢い選択。たとえば、「LXタイプ」は、掃除が楽になるような工夫が施されたモデルです。

↑ハイブリッド式加湿器「LXタイプ」。適用床面積は最大でプレハブ洋室33畳と広く、ワイドリビングでも素早く加湿できます。本体色はサンドホワイト(左)とモスグレー(右)

 

トレイには「カンタン取替えトレイカバー」(※)が搭載されているので、トレイを洗う手間も不要。さらに、水と風の通り道に4つの抗菌加工を施しており、清潔性も高くなっています。

ダイニチ工業では別売部品で使い捨てタイプの抗菌気化フィルター「カンタン取替えフィルター」も用意してあり、洗わずにサッと交換したい方にオススメです。
3カ月に1回、新しいフィルターに取り換えるだけ。

1.汚れたフィルターを捨てる

3カ月に1回、新しいフィルターに取り換えるだけ。

2.新しいフィルターをセット

汚れたら捨てるだけ!「カンタン取替えフィルター(別売部品)」のご紹介

お手入れ不要で捨てるだけの抗菌気化フィルターが登場!
カンタン取替えフィルター製品紹介

加湿器を選ぶ際は、こうしたメンテナンス性にも考慮したいですね。

 

 

↑タンクのキャップに「Ag+抗菌アタッチメント」を搭載する機種では、銀イオンが溶け出して菌の繁殖を抑えます

 

※1:1日8時間運転、水道水の硬度50mg/L(全国平均値)の場合 ※2:1シーズンをめやすに新しいもの(別売部品)と交換してください(1シーズンを6か月、1日8時間運転、水道水の硬度50mg/L(全国平均値)にて使用した場合)。なお、1シーズンに満たなくても汚れや水アカが気になる場合は交換をおすすめします

 

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その6 まとめ

加湿器は健康のために導入する家電ですが、お手入れを怠るとかえって健康が損なわれてしまうというのが落とし穴。カビや菌による悪臭や健康被害を防ぎ、加湿器のパフォーマンスを落とさないためにも、毎日のタンクの水の入れ替えと定期的な掃除をするのが重要です。

今回紹介したタイプ別の掃除の方法をしっかり実践しながら、クエン酸や重曹を使って清潔さを保つようにしてください。このほか、価格やデザインだけでなく、掃除のしやすさや、抗菌パーツの有無に目を向けて加湿器を選ぶのも一つの手。

ぜひ、清潔な加湿器で乾燥から身を守り、この冬は快適に過ごしてくださいね。

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制作協力/GetNavi web

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