コーヒーメーカー MC-SVD40A「NEW WAVE」モード監修『Brewman Tokyo』小野 光 氏インタビュー
本稿はコーヒーメーカーMC-SVD40Aの監修を務めた小野氏に聞いた話を、インタビュー形式でまとめたものです。当社との出会いから開発秘話、そして現場での気づきについて語っていただきました。
コーヒーメーカー MC-SVD40A「NEW WAVE」モード監修者
『Brewman Tokyo』小野 光 氏
オーストラリア、香港でバリスタとしての経験を積み、「Japan Brewers Cup 2022」で優勝。2023年、東京・代々木でスペシャルティコーヒーの専門店「Brewman Tokyo」を開業。
フルーティーで上質な酸味を引き出す「NEW WAVE」モードを監修。
取材:2025年8月
── まず、小野さんから見てどんな商品か教えてください。
小野 操作内容はシンプルで、誰もが簡単においしいコーヒーを淹れられるユーザーフレンドリーなマシンです。味は本格的ながら日常に溶け込むシンプルなデザイン。機能も必要十分で扱いやすく、ミニマルなイメージですね。
── 監修を引き受けたきっかけは何でしたか?
小野 2024年に入って、スーツ姿のお客さんが2〜3人で来るようになって、その方たちが何度か来店していたんです。話を聞いて調べてみると「ダイニチ工業」という会社で、石油ファンヒーターで有名ですが、焙煎機を出すなどコーヒー事業にも力を入れていると知りました。新しいものに触れたい、挑戦したいという気持ちが強く、初めてのコーヒーメーカー監修を引き受けました。
──小野さんの淹れ方の特徴を教えてください。
小野 私はニューウェーブ系で、中浅煎り〜浅煎りが中心です。浸漬式で淹れてクリーンでフレーバーが明確、雑味が少ない味を目指しています。挽き目は粗めにして、成分が出にくい分、攪拌が重要なので注ぎは強め。レシピは厳密に守り、豆はスケールで量ります。

ニューウェーブ系の小野氏のドリップ法
──開発でこだわった点や印象に残った出来事はありますか?
小野 注ぎ方で味が大きく変わるので、何秒で何グラム注ぐか、などを開発のみなさんに実際に見てもらいました。注ぎで湯が粉にかかる範囲を広げ、粉と湯がよく触れるようにして攪拌できれば理想的でしたが、機構上そのまま再現するのは難しかった。そこで開発のみなさんが、当初2つにしていたノズルの穴を1つ増やして3つにし、粉を躍らせることに成功したのです。これには驚きました。意図を理解して別の方法で解決していく姿勢に感心しましたし、毎回のアップデートぶりには開発の熱意を感じました。

小野氏の淹れ方を研究

試作機もトライを重ね、完成に近づく
──製造や品質管理について印象はありますか?
小野 製造でごくわずかにスペックのばらつきが出る可能性がある、という点まで議論がおよび、それでも許容範囲でおいしく出せるかを確認していたのは徹底していると感じました。品質に対するプライドや地元雇用への配慮など、企業としての姿勢にも好感を持ちました。

妥協なく、何度も何度も試飲を重ねる
──マシンのレシピや淹れ方のポイントを教えてください。
小野 いつものレシピをベースに、豆の素材を生かしてシンプルに淹れます。浅煎りはフルーティで酸味が立ちやすいので、甘さを引き出してバランスを取ることが重要。豆が湯に浸る時間をしっかり取ることと、湯温を90〜92℃とやや高めに設定するのがポイントです。
──このコーヒーメーカーに期待することはありますか?
小野 マシンならではの再現性が強みです。TDS計*で濃度を見ると毎回数値が揃うので、クオリティコントロールが確実だと感じます。浅煎りと深煎りの両方に対応でき、食事や気分に合わせて使える。忙しい場面でも操作がシンプルで、最大4杯まで淹れられる点も実用的です。
*全溶解固形分測定器:液体の中に水以外の成分がどれだけ入っているかを測定する機械。コーヒー濃度の数値化が可能。
──最後に一言お願いします。
小野 開発段階が進むにつれ、どんどんよくなっていて、素晴らしいできだと思います。開発のみなさんのひたむきさには頭が下がります。私は脇役にすぎませんが、クラシックとモダン、2つの味わいが一台で楽しめるのは大きな価値。コーヒーが気になっている人が、このマシンでさらにコーヒーを好きになってくれたらうれしいですね。

