セラミックファンヒーター 開発者インタビュー

セラミックファンヒーター

開発部内いろいろな部署から選抜されたメンバーが、
静かに、そしてしっかり暖めるセラミックファンヒーターを開発しました。
開発を担当したメンバーにインタビューしました。

※2016年当時のインタビューを元に構成しています。

どうしてセラミックファンヒーターを開発することになったのですか?

培ってきた技術を活かしてもっといいものをつくれないか?これが発想の原点でした。

当社の主力である家庭用石油ファンヒーターと加湿器は、どちらもシェアナンバーワン※の定評のある製品です。家庭用石油ファンヒーターの開発はすでに50年近い実績がありますが、その間一度もリコールを出したことがなく、製品の安全性を設計初期段階から確保する技術がお客様の信頼につながっているのだと思います。加湿器の開発はようやく10年が経ったところですが、「静音」の技術がお客様に高い評価をいただいています。

こうした従来の製品開発で培ってきた技術を活かすことで「もっといいものができないか?」という思いがありました。近年では高気密高断熱住宅が増えたことからエアコンで暖房する家庭が増え、その補助としてスポット暖房のニーズが高まっているなどの背景もあり、セラミックファンヒーターの開発に挑戦することになりました。

※2007~2016年度(年度=4月1日~3月31日)石油ファンヒーター メーカー別販売台数シェア ダイニチ(シェア数値/2007年度=49%・2008年度=59%・2009年度=53%・2010年度=49%・2011年度=49%・2012年度=50%・2013年度=54%・2014年度=53%・2015年度=54%・2016年度=52%)/全国有力家電量販店の販売実績集計/GfK Japan調べ。

開発段階ではどんな完成形をめざしていましたか?

目指したのは「静かさ」と「暖房力」の両立。そして、もちろん安全性を確保すること。

最初は開発者というより、お客様の目線でいろいろな電気暖房器具を使うことから始まりました。開発メンバーは新潟や雪の多い地方の出身ばかりで、子どもの頃から暖房といえば「石油ファンヒーター」という環境で育ち、正直なところ、電気を熱源とする暖房器具にまるでなじみがなかったからです。そんなふうにいろいろ試しているときに「セラミックファンヒーターは音が気になる…同じ暖房出力でも石油ファンヒーターのほうが暖房感が良い気がする」という実感がありました。それで、「何とか静かなものをつくりたい!」と思いました。

加湿器の開発で培ってきた「静音」の技術が活きるところですが、加湿器とちがってセラミックファンヒーターは内部にあるヒーターの「熱負荷」が大きいので簡単にはいきません。安全のことを考えれば製品自体にかかる熱負荷を抑えるためにファンからの風量をあげたほうがいいし、そうすれば暖かさも得やすいのですが、一方でファンの回転数が高くなるので音は大きくなってしまいます。

安全性を確保したなかでファンそのものの構造や送風経路を試行錯誤し、「静かさ」と「しっかりと暖かさを感じられる風量と暖房感」のバランスを探りました。 石油ファンヒーターの「安全性の確保」という技術と加湿器の「静音」の技術をしっかり形にしていくことで、セラミックファンヒーターでもシェアナンバーワンを狙える製品をつくりたいと思いました。

開発者としていちばんこだわったところは?

製品の組み立てだけでなく、部品も「日本製」にこだわりました。

事故原因となる確率が高い部品というのがいくつかわかっていて、そういう部品は日本製にこだわりました。ただ、日本製の部品は質がいい反面、コストがかかります。お客様にはお求めやすい価格で提供したいので、このこだわりはコストダウンのためのさまざまな工夫の始まりでもありました。

たとえば1つの部品に複数の機能を持たせたり、ビスの「ともじめ」というのですが、まとめていくつかの部品を留められるように部品の配置や内部の構造を工夫したりしました。
そうすることで部品の数が減り、組み立ての工数が減り、コストを抑えることができるのです。部品数を極力抑えて組み立てを簡素化すると、さまざまな不具合の発生確率を抑えることにもなるので、安全の面でも有効です。
こうした取り組みでは石油ファンヒーターや加湿器の開発で養われたノウハウが活きました。

アピールしたいポイントは?

石油ファンヒーター並みの安全設計です。

電気を熱源とする暖房器具の安全装置は転倒した場合に作動する「転倒スイッチ」が一般的ですが、地震などの際には必ずしも転倒せずに機能しない場合があります。
より安全性を高めるために、約震度5以上の地震や強い振動、衝撃を受けた場合に自動で運転を停止する「対震自動停止装置」を搭載しました。

これは「感震器」という部品がゆれを感知し運転を停止させるものですが、実は当社の石油ファンヒーターで長年採用してきた実績ある部品と同じものです。
火を使う石油ファンヒーターには電気を熱源とする暖房器具にくらべてより厳格な安全装置搭載の義務付けがありますが、ダイニチのセラミックファンヒーターは石油ファンヒーター並みの安全設計です。

他にもおすすめのポイントは?

省エネセンサー搭載

センサーが人を検知して自動でON/OFFするものです。賢く暖房でき、消し忘れの防止にもなります。

チャイルドロック

小さなお子さまのいたずらや、誤操作による運転を防止したいときなどに便利な機能です。

入/切タイマー

入タイマーは6時間後・8時間後、切タイマーは1時間後・2時間後の設定ができます。

3年保証

本体3年保証でアフターサービスも充実。品質に自信があるからできるダイニチの特長です。

ハンドル付き※

ハンドルが付いているのでお部屋を移動して使いたいときや、おそうじのときに便利です。

引出式トレイ※

横からさっと引き出せるトレイです。手軽なお手入れで、いつも清潔にお使いいただけます。

※ハンドル、引出式トレイは加湿セラミックファンヒーター(型名が「EFH-」で始まる機種)のみ。

メッセージ

エアコン暖房などで乾燥しがちなお部屋を、加湿しながら足元から暖かさをプラス。脱衣所や洗面所などでの使用にも適しています。寒い季節を暖かくお過ごしください。

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